(C)2001 JOMON3D |
縄文土器3D JOMON3D
第1部 火炎土器の造形と風景
flame-type bowl
第4章 イメージをふくらませる情報
the river near the site
1) 火炎土器の出土分布は北陸、信越、東北地方などの日本海側の鮭の遡上(そじょう)河川に沿っています。土器の装飾として「鮭」を選んだ場合、作者の住んでいた地域の特徴をよくとらえたシンボルだと思います。この地域に住んでいる人々は実際に鮭遡上河川を間近で見ることができるので容易にこのようなイメージの渓流の情景を思い浮かべることができると思います。 ※1)
2) 同時期に造られた縄文土器に「水」や「渦流」を表現したものがあります。火炎土器のテーマも「水」と仮定すると、類似性が生まれるように思います。土器の作者は鮭の動きを表現していますが、「鮭」が作る「水」の形、すなわち「水」に視点を置き、「水」の存在を表現しているように感じます。 ※2)
このように考えてみると土器の名称を「鮭遡上風景土器」とでも命名したい気持ちになってきます。
「鮭遡上風景土器」
"salmon jumping upstream type bowl"
20010626
追記 note
※1)「作者」とは土器を作った縄文人。
※2)同時期の縄文土器とはこの特別展に展示された釈迦堂遺跡の「水煙土器」等のこと。
20190325
|